そんな他愛ない日常に変化が訪れたのは、本当に突然で、一瞬のことだった。 「貴、真衣、大事な話がある。」 お父さんはその一言で、夕食を食べ終わって自分の部屋に戻ろうとしたあたし達を引き止めた。 それは、あたしが小学6年で、貴にぃが高校1年のときだった。 「ん、何?」 「とりあえず、席に着こう。」 いつになく真剣な表情のお父さん。 なんだか嫌な胸騒ぎがする。 あたしは、生唾をごくりと飲みこんだ。 「父さん、再婚しようと思うんだ」 「さいこん……?」