キャンディ


「はぁ~。寒っ」


白い息を吐きながら、マフラーに顔をうずめた。


街はすっかりクリスマスムードで包まれていて、どこを見ても「Xmas」の文字。



この季節、人肌が恋しくなる。


独り寂しくイブを過ごすなんて…

やっぱありえないよね…






「真衣ちゃんはイブの日、帰り遅いの?」


みんなで夜ご飯を食べてる最中に、奈津美さんがそう言った。



「…え?」


やっぱり「帰りが遅い」って言うのは、予定入ってる前提の話だよね…。


「ん~…どうだろ?」

誤魔化しがちに言う。