土曜日に恋






「おう!」




翔くんは短く言って、あたしの手を引っ張った。




「おは…」




あたしが言いかけた「おはよう」は、翔くんのキスによってかき消される。





翔くんは、すぐに唇を離して、にっこり微笑んだ。




「びっくりした?」




あたしは、何回も首を縦に振った。




「家の前でこんなことしたら…陽ちゃんたちに見られてるかもなのに!」




焦るあたしとは違い、翔くんは、落ち着いている。