「おう!」 翔くんは短く言って、あたしの手を引っ張った。 「おは…」 あたしが言いかけた「おはよう」は、翔くんのキスによってかき消される。 翔くんは、すぐに唇を離して、にっこり微笑んだ。 「びっくりした?」 あたしは、何回も首を縦に振った。 「家の前でこんなことしたら…陽ちゃんたちに見られてるかもなのに!」 焦るあたしとは違い、翔くんは、落ち着いている。