またまた大きな歓声。 冗談かと思った。 理解できなかった。 みんなが翔くんの周りで騒いでいる。 数分前に見た光景。 さっきと違うのは、みんなの中心にいるのが陽ちゃんじゃないこと。 翔くんだということだけ。 興奮状態の陽ちゃんに確認した。 「え?彼女?」 「お兄ちゃんに彼女だって!知らなかった〜!じゃあ、亜衣ちゃんに彼氏できたら、トリプルデートできるね!」 無邪気に笑って話す陽ちゃん。 人生で初めて、私は陽ちゃんのことが嫌だと感じた。