土曜日に恋




またまた大きな歓声。



冗談かと思った。



理解できなかった。



みんなが翔くんの周りで騒いでいる。



数分前に見た光景。



さっきと違うのは、みんなの中心にいるのが陽ちゃんじゃないこと。



翔くんだということだけ。



興奮状態の陽ちゃんに確認した。



「え?彼女?」



「お兄ちゃんに彼女だって!知らなかった〜!じゃあ、亜衣ちゃんに彼氏できたら、トリプルデートできるね!」


無邪気に笑って話す陽ちゃん。


人生で初めて、私は陽ちゃんのことが嫌だと感じた。