陽ちゃんは、下を向いてしまった。 どうしよ。怒った? 「陽ちゃん…?」 「陽……通ってて………たの」 「え?なんて?」 よく聞こえなかったから聞き返したら、陽ちゃんは、複雑な顔をしながらも、ゆっくり言い直してくれた。 「陽が彼氏とチューしてるときに、亜衣ちゃんのお母さんが通ってて、チュー終わった後に、『彼氏?』って聞かれちゃったの」 チュー? 陽ちゃんがチュー? まだまだ子どもだと思ってたのに…! そんなことよりお母さん! そこは空気読んで素通りしてあげてよ〜。