お店に着いたらしい。 今まで、何回かお店を貸し切ったことがあるけど、着いたお店は今まで来たことがあるお店ではない。 どこ…? こんなところ来たことない。 お母さんは笑ってる。 「ここどこ?来たことある?」 お母さんは笑ったまま、「亜衣、ドア開けて」とだけ言った。 あたしはドアを開けた瞬間、思わず泣いてしまった。 そこには、あたしが頼んださっちゃんファミリーだけではなく、単身赴任中のお父さん、新幹線で3時間かかるところに住んでいるおじいちゃんとおばあちゃんの姿があった。