「・・・どうなんだろうな」 俺はそっと、亜姫の頬に触れる。 そして、唇を合わせた。 夜は更けていた。 辺りは真っ暗だ。 どこからか、蝉の声が聞こえてきた。 もうそんな季節か。 亜姫に触れながら、俺はそんなことを思う。 目の前の亜姫が愛しかった。 離したくない。 彼女の腕を離したくない。 いつまでも・・・俺のものでいてほしい。 他の誰にも触れさせたくない。 亜姫が・・・亜姫が好きだ。 そう思った瞬間、俺の脳裏に、あの子の笑顔が浮かんできた。