消化しろだと・・・?? あの時の思いを、あの時の俺を、あの時のあの瞬間を・・・俺に、乗り越えろだと・・・?? 無理だ・・・俺には・・・俺には・・・。 「どうした?? 巧君。ぼおっとしてるよ??」 真子の声に、俺は現実に戻された。 「なんでもねぇ」と、彼女に笑いかける。 けど、真子はかなり、心配だったようだ。 目の前のジョッキを掴む。 そして残っていたビールを喉に流し込んだ。 「今日帰ろっか」 いいよ、別に。 大丈夫だから。 そう言いかけて、飲み込む。