- * - - * - - * - - * - - * - 「・・・どうしたんだ、腕の傷」 校門の前で亜姫を引き止めると俺は、彼女を事務室に連れて行った。 事務室といっても「事務室2」とよばれるところで、いつもは物置として使われている。 人が入ってくることは、まず、ない。 事務室は狭かった。 あちらこちらに物が詰め込まれ、散乱していた。 真ん中にある机の周りだけ辛うじて、人が歩けるスペースがあるくらいだ。 南向きに設置されている、唯一の小さな窓からは、太陽の光が差し込んでいる。