「待てよ!!!」 ようやく、亜姫が止まった。 それでも、後ろは振り返らない。 「今から教室来い。話したいことがある」 亜姫がようやく振り返って、俺の顔を見た。 今日、はじめて見る、亜姫の顔。 彼女の大きな目の下には、隈が出来ていた。 心なしか、目もうつろだ。 俺は思わず、視線をそらした。