「巧、笑えよ!酒がまずくなるだろ?」 顔をしかめながら、睦月が俺に言った。 「わりぃ」と小さく呟いてから、俺は微笑する。 目の前の睦月の隣にいる琴音が、心配そうな顔で俺を見た。 俺は、睦月と琴音と琴音の友達の真子と、居酒屋に来ていた。 店内はほぼ満員。 あちこちから楽しそうな話し声が聞こえてくる。 その声が、俺を余計に憂鬱にさせた。 目の前に置かれた、ジョッキの中のビールを一気飲みする。 気分がモヤモヤしていた。 原因は分かってる。 ・・・亜姫だ。 「なんか・・・あった?」