「んじゃさ、今夜俺んち来いよ」 「・・・なんでだよ」 小さな沈黙。 「なんだよ、言えよ」 「いや、携帯じゃ、なんだし」 「意味わかんないって。 言いにくいこと??俺に??」 またまた小さな沈黙。 俺に言いにくいことって何だよ。 高校生時代からのお友達に言いにくいことって。 睦月は心を決めたのか、電話口の向こうで大きな深呼吸をした。 なんかドキドキする。 俺は携帯電話を持っていない右手で、胸を押さえた。