・・・確かに、目の前には事務室2の扉。 その扉の前に立つたびに、俺は亜姫の顔を思い出す。 傷つけた時の、泣き顔。 告白した時の、嬉しそうな笑顔。 ここは・・・亜姫との思い出の場所だ。 自分勝手かもしれないけれど、なるべく人を入れたくない。 「いや、でもここは・・・」 俺が言い終わる前に、土井が俺の腕を引っ張った。