公園の中は、誰もいない。 2人だけだ。 土手の近くには多分、知り合いが、たくさんいるだろう。 「・・・ここで見ようぜ。 ここのほうが、2人でいいじゃん」 俺の言葉に、亜姫はそうだね、と頷く。 俺たちは2人、ブランコに座った。 夏の真っ暗な夜空に、大きな花火が打ちあがる。 青。赤、黄色、緑。 俺たちは首が痛くなるほどに、空を見上げた。