実咲は、本当に嬉しそうにしてくれた。 俺が渡した、婚約指輪を指にはめて、笑った。 子供みたいに、無邪気な笑顔で。 実咲との思い出が。 今まで封印してきた想いが。 あふれ出てくる。 どうしたらいいのか分からない。 俺は、ぐっと奥歯をかみ締める。 「婚約して・・・そして結婚式まであと一ヶ月ってところで・・・実咲が妊娠した」 その時彼女は既に3ヶ月で。 俺たちは嬉しくて抱きしめあいながら喜んだ。 あぁ、俺も父親になるんだって。 ・・・でも。