あたしの頭によぎったのは、


「朝ならいるよ」

そう、あの男の子だった。

伝二郎を連れていた人だった。




きっと、伝次郎は散歩に行きたがっているんだと思う。


もう一度布団にもぐりこもうとしても、伝次郎に阻止される。


「もう。分かった分かった。」


あたしはリードを持ってドアを開けた。