いつの間にか境内の裏まで来てた。

恭一が頭に巻いてたタオルを取って階段に敷く。


「浴衣汚れるから、これの上に座れよ」

「……ありがと」


遠慮なく座る。

恭一と目…合わせらんない。

だって、あんなの…バレたようなもんじゃん。

ちゃんと話したほうがいいのかな…。


「…あのさ」

「…何?」


話しかけられて、びっくりしたけど答えた。

考えてるとこだったのに…。


「無理に話さなくていいぜ」

「……え」


顔を上げると、恭一は真剣な目で見てきた。

…てかヤンキー座り…。


「無理に話さなくても、さ。
 気が向いたときでいい。
 俺はずっと待ってるから」

「恭一…」


そう言った恭一は、今までで1番穏やかに笑っていて

溜まっていた涙が零れ落ちた。

恭一の前で泣くの、2回目だし…。

てかなかせる恭一が悪いんだ、うん。


「な、何で泣くんだよ…!
 俺変なこと言ったか!?」


自分でわかってないし…無自覚め。

そんなとこが…イイトコなんだけど。


「ありがと」


頬に唇を寄せる。

途端に真っ赤になる顔。

あ…家以外ですんなって言われてたんだった。

まあ…いっか。