「?どうかしたの、亜香梨ちゃん?」

「…や、何でも、ない、です」


うそ、何でこんなに、似てるの?

そのお客様の顔を見ないようにして、説明をした。

まだ小さくて伝わらないのか、眉を寄せる。


「お兄ちゃん、僕の代わりにこのお姉ちゃんのお話聞いてー」

「何だよ、欲しいって言ったのはお前なのに…」


離れていた人が近付いてくる。

お兄さんか何かかな?

少し茶色の髪

記憶よりも随分と伸びた身長

少し日に焼けた肌

整えられた変わらない眉

垂れ下がった目尻


「――…う、そ」

「――あか、り…?」


2度と会いたくなかったヤツが、そこにはいた。