じっと、隣で眠る恭一を見た。

この間絵里奈が言ってたこと…本当、なのかな。

恭一がまだあたしのこと好きって…。

あーでも自惚れちゃだめだし…。

相変わらず幸せそうな寝顔。

その顔を見てると、あたしまで幸せになれる。

近づきたい…けど、近づくのが怖いから。

まだ友だちでいい…。

笑顔を見れるこのキョリで…いいんだ。


「〜…それじゃあまた2学期に!」


その声を合図に、一斉に立ち上がる。

椅子が擦れた音で恭一も起きて、令をした。

…季節はもう、夏になった。







「やっと終わったなー!
 これから夏休みだぜ!?」


軽くスキップする恭一のあとを柚姫と2人で歩く。

恭一はほんとに嬉しそう。

でもさ…暑苦しいんだよね。

一生寝てればいいのに。


「亜香梨!海行こうな!」


太陽と反射して恭一の髪が光る。

あたしには眩しすぎる…。


「やだ、暑い」

「おーい…」


だって暑いのキライなんだもん。