「…ぁか…り…んぅ…」


―きゅぅぅぅん

や、も…!少女漫画か!!

何このお約束な展開!?

あたしクールキャラなのに!

にへ〜と笑う恭一。

やばい…好きだ。

てか、恭一みたいなの好きにならないほうが可笑しいし。

不良だけど優しくて、笑顔と寝顔が可愛いなんて…

それに、微妙になら思い出せる。

小さな犬を背に庇う、金髪の男。

そしてあたしを庇った。

あのときからきっとこうなるって、決まってたのかな。


「んー…」


そういえば恭一にも告られたんだっけ。

…今はどうか知らないけど。

もう遅いよね…。


「はぁ…」


もっと早く気付いとけば、両思いだったかもなのに…。







いちごみるくをすする。

そして前に座る男を見た。

にこにこと屈託なく笑う恭一。

…凝視してんの気付いてないし。


「な、亜香梨もそう思うだろ!?」