「は?」

「こんな奴ほっとけばいいじゃんっ」


やばい、涙出てきそう…。

何であたしこんなこと言ってんの…!?


「…好きだから。
 亜香梨が好きだから…ッ」


やめて やめて

『好きだから。璃絲のこと好きだからッ』

やだ、出てこないで…!

――だからあたしは、拒絶する。


「キライ!岡沢なんて…男なんて大っ嫌い!!
 あたしに構わないで!!」

「…やだよ」

「は!?キライって言ってんの、わかって…!?」


岡沢に、抱きしめられてる…?

きもちわるい…ッ。


「やだ、はなして…ッ」

「俺は亜香梨が好きだから、嫌われたままなんて嫌だ!!」


言って、あたしを解放する。


「…泣かせてごめん…」


あたしの涙を拭って、静かに保健室を出ていった。


「なんで…っ」


なんであんたが、泣きそうになってるの…っ。