フェンスに寄りかかって、下を見た。

サッカーとかしてるのが数人。


「……」

「ねぇ、恭一くんにはちょっと心許しても…」

「ムリ」

「…ですよね」


心、開く意味とか…ない。

どうせこうしてたら離れてくんだし。

だったら開かなくていいじゃん?


「亜香梨…?」

「ん?」

「あのさ、さく…」

「お待たせ!」


…微妙にナイス。

1番いいのは帰って来ないのだけど。


「ほい、いちごみるく。
 俺の奢りでいいからさ」

「……」


手に押し付けられた大好きなもの。

柚姫を見れば、にやにや笑ってる。

…ムカつく。


「別に買ってきてほしいとか一言も言ってないんだけど」


…でも、飲みたい。


「俺が奢りたかっただけだから、もらってくれよ」


そう言って、あの笑顔で笑う。

…不良っぽくない、カワイイ笑顔。


「亜香梨〜?物もらったときは何て言うの〜?」