「悠夜はねぇっ!!あんたがかわいそうだから、側にいるだけなのよ!!」

「かわい…そう…?」

「お兄さんが死んじゃった、哀れなあんたを見るに見かねて、自分が側にいてやんなきゃって思ったのよ。」

「それ…は、悠夜が言ったんですか?」

「そっ、そうよ。当然じゃない。」

「そう…ですか…。」

「分かった?これで本当のことが。
あなたのことなんか、誰も相手にしてないのよ。
理子も雅樹も翔吾も…悠夜の同情ごっこに付き合っただけ。」

「…。」

「あんたが悠夜をここに縛り付けておくことなんて出来ないのよ!!
っていうかそもそも迷惑。」

「ごめ…ん…な…さい…。」

「分かったらもう、悠夜に近づかないで!!」


乱暴にドアが閉められた。

紀紗だけが、残されたまま。