「悠夜くん!!」


ちょっと早め来たつもりだったのに、当然のようにいる彼女に困惑する。
…来るの早くない?


「ちょっと紀紗のとこに寄って行きましょう。」

「え…?先生、紀紗の知り合い…?」

「まぁそんな感じよ。」


そのまま彼女はガツガツと特別棟へと入っていく。
そして8番演習室のドアへと手を伸ばした。


「紀紗ー!!今日、悠夜くん借りるわよー♪」

「は!?ちょっと玲!!何言って…!?」

「悠夜くんにあなたの姉として言っておきたいことがあってね。」

「あ…姉?」

「違うっ!!」

「ともかく今日は悠夜くんと私、二人っきりで話すから邪魔しに来ないよーに!!
んじゃまた夜にね。紀紗。」


言うことだけ言って、彼女は勢いよくドアを閉めた。