「美咲…が言ったことだけど…あれは全部嘘だよ。紀紗…。」


紀紗は無言のまま。


「前に松下先生と話した内容、紀紗にはかなり省略して話したんだけど、本当は紀紗の家庭環境とかそういうのを聞いた。

…でも別に紀紗が可哀相だとは思わなかった。

ただ一つだけ分かりかけたのは、紀紗が寂しそうに見える理由だけだった。
自分が大切に築き上げた家族との絆が一瞬で無くなったんだもんな。
人と深く関わり合うことに不安を覚えるのは仕方ないって思ったよ。」