「もうこんなママチャリも…いらねぇ」 いつのまにか外は雨がふっていた 雨の中で、奴が私たちがいつも一緒にパトロールをしてた赤いママチャリをけとばしたのが見えた 左胸が痛かった 「…ごめんナツミ、宿題とられたのに腹立って、ボクは別にお前が好きとかないんだけど、ちょいともやしにイヤガラセしようとしたら…ありゃまこんな大事に、ごめん」 太陽の「ごめん」が、奴の「ありがとう」に見えて 私はその場で泣き崩れてしまった