孤高の狼に捧ぐ恋唄



「疎いおれでも、お嬢さんの気持ちがアイツに向かっているのはわかったよ。

こんな話をしたのは、誓ってお嬢さんが初めてだからな?

なんつぅか……お嬢さんの目が澄んでいたから。

だから、アイツに近づいて、傷付いて欲しくないんだ」



そう言って、ちょっと照れくさそうに鼻の頭をカリカリと触っていた。



きっと自分の娘と重ねて見ているんじゃないかな、と思った。



今、私もまた、父親を重ねて見ているのかもしれない。