沈黙が部屋を支配していた。 それを解いたのは、羽生さんの深い溜め息だった。 私が諦めていないのを嗅ぎとったようだ。 羽生さんは少しためらったが、私にボソボソと話し始めた。 「あれは2年くらい前になるかな。 アイツはまだ中学生だった」