彼は、お冷やのコップの底に溜まってた水で、テーブルに『月』と書いた。 「月(ユエ)」 月と書いてユエ…… 私は心の中で、ユエの名前を何度も繰り返した。 繰り返す度、ドキドキが増していく。 珍しいユエという名前が、私にはとても羨ましく、且つスマートに感じた。