「でも、俺がこの町にいたら、明日香が嫌な思いをするかもしれない。 また危険なことに巻き込んでしまうかもしれない。 だから……」 この町を出て行く。 月は、迷いのない瞳でそう言った。 「でもっ!亜龍ならもう心配ないってマスターがっ……」 思わず声を荒げる私に、月は言った。 「亜龍の周りや上が黙っていないさ」 「そんなっ……」 言葉を失う私に、月は優しい瞳で言った。 「明日香。もう決めたんだ」