孤高の狼に捧ぐ恋唄



「妹がいなくなってから、俺には守るべきものがなかった。

だから、亜龍といつやりあったって構わないと思ってた」


もしそれで死んでも構わない、と。

でも……


そう言って、月は私の頬を、そっと指で撫でた。



「俺は、明日香を守りたいから」



だから……



私の目に溜まった涙が一筋落ち、頬を撫でた月の指が、その涙を受け止めた。



「そのためなら、なんだってやれる」



そう言って、月は目を細めた。