最後まで言わなくても、マスターの言いたいことはわかった。 決心していたことでもあった。 「私、もう月には会いません……」 足手まといだから。 月だけなら、亜龍なんて…… 「違うよ、明日香ちゃん」 マスターが私の言葉を遮った。 「君さえ良ければ、月のそばにいてやって欲しいんだ」 「……え?」 驚く私に、マスターは続けた。 「危険なのはわかってる。 でも、それでも……」 そう言って、あらゆる溢れ出る感情に、マスターの顔は歪んだ。 「そばにいてやってくれないかな……?」