月は一瞬止まって、私の目を見据えた。 ふいに、月からの返事が恐ろしくなる。 でも、後悔したくないから、月の気持ちをちゃんとききたい。 それが月から私への、最後の言葉になるのだから。 月はうっすら赤くなり、囁いた。 「好きだ、明日香」