孤高の狼に捧ぐ恋唄



そして、医師が退室しようとしたときに、ノックの音がした。



医師と入れ替わりに入ってきたのは、羽生さんだった。



羽生さんは父に警察手帳を見せ、言った。



「今先生から、お嬢さんに話をきく許可を頂きました。

お嬢さんと二人にして頂けますか?」



「しかし……」



渋る父に、私からもお願いした。


父は渋々頷き、病室を出て行った。