試験も、とりあえず終わりほっとしたせいか、先生との話がなかなか尽きなかった。



気付けば、もうすぐ授業が終わるという時間。



休み時間になる前に帰らないと…。



「先生、そろそろ帰ります…。授業終わる時間だから…。」



はあ…、また授業でしか会えないんだよね…。



また寂しさを感じる私がいた。




「今日は愛菜の笑顔、近くで見られて嬉しかった。ありがとう。」 



先生がにこやかに手を振った。



「私の方こそ…ありがとうございました。」



手を振りながら、授業が終わらないうちに、準備室を出た。





先生…。





私だけの笑顔、仕草。




嬉しかったよ。



勝手に会いに行っちゃってごめんね…。



でも、会いたくて



会いたくて…




どうにも抑えられなかったんだ…。



家路へと向かう途中、目に映る景色はいつもより輝いて見えた。