花火が終わると、みんな立ち上がりぞろぞろと帰り始めた。



…もうお祭りも終わりかあ…。



あっという間だったな…。


立ち上がろうとすると先生が、ぐっと手を掴んだ。



「今、みんな帰るところだし、混雑してるから少しこのまま座っていないか?」


「そうですね…。ちょっと落ち着いてからにしましょうか…。」



先生と少しでも長く一緒にいたいし…。



それに今日の夜空…星が綺麗!



「たまには、夜空の星を見るのもいいな。」


「そうですね。なかなかこんな風にゆっくり見る機会ってないですよね。」



人もまばらになり、周りが静かになってきた。



「また見に来ようか。二人で。」



私が頷くと、先生はにこっと笑って、キスをした。



川沿いにはもう私たちしかいない。



先生からの甘いキスを星たちだけが見守っていた。