『また今日も始まるのだ』

そう考えるたびに、僕は吐き気とともに自分の臓腑が腐っていく感覚に襲われた。

校庭を見下ろすと、ちょうどジャージ姿の男が保健室に入っていくのが見えた。

消える瞬間目があった。男の口の端がニヤリと醜く歪んでいた。『早く来いよ』そう僕に言っていた。『お前も共犯だろ』と、そう言っていた。

僕は拳を握りしめた。

手のひらに血が滲んだ。

それでもあいつのいいなりになる以外、僕と早紀に選択の余地はなかった。

「あの事件」をきっかけに、大好きだった早紀の心と体は、悪魔のようなレイプ教師によって狂わされてしまった。

だけどそれは早紀が自ら選択した結果なのだと男に笑い飛ばされた時、僕は何も反論できなかった。

切なげに尾を引く早紀の吐息が僕の鼓膜から離れない。

ねっとりと汗が吹き出した細い腰を持ち上げられ、淫らに反り返っていく早紀の真っ白な体が脳裏をよぎる。

そのたびに僕は、ノートに彼女の名前を書きつけた。

憎いはずの男に責め抜かれ、恥じらい、登りつめていく早紀を想いながら……