紺色の海、緋色の空

僕は知らなかった。

早紀の決意を知っていたなら、僕は彼女よりも先に死ぬことだってできた。

なのに僕は、最後まで早紀の気持ちに気づくことができなかった。



あの時、早紀は微笑んでみせた。



『ありがとう』

と言って、僕に優しくキスをしてくれた。