白昼夢でも見たのだろうかと思考を巡らせていると、突然目の前にセーラー服を着た早紀が現れた。

「さ……」

僕が名を呼ぶよりも早く、セーラー服の胸元に見覚えのある男の無骨な腕が伸び、早紀の胸を荒々しく揉み始めた。

「……やめろ」

僕の声が消えていく。

か細く、見えない壁に吸い込まれるように消えていく。

早紀は僕に向かって首を振り、下唇を噛んで力なく俯いた。

「うああ」

僕は幻の中で目を背けた。

十年前の忌まわしい記憶が、強烈な吐き気と共に蘇ってきた。