紺色の海、緋色の空

欲深い大人たちに運命を弄ばれ、その短い生涯を閉じた悲劇の女王ジェーン・グレイ。

目隠しをされ、ふらふらとした足取りで断頭台に手を伸ばす彼女の姿に、僕はふと、早紀の姿を重ねていた。

早紀もまた、聡明な少女だった。

絵が好きで勉強も得意。

弟の僕とは違い、彼女は親の期待を一身に背負って生きていた。

責任感の強い人でもあった。

『お姉ちゃんだから』

それが早紀の口癖だった。

結局彼女は僕をかばい、親をかばい、すべての犠牲を一人で抱え込んで、この世を去ってしまった。

深い爪痕を残して消えてしまった。

早紀がいったい何をした?欲望の道具にされただけじゃないか。

似ていると言えば似ていなくもない。

生きた時代も育った環境も違う二人だったけれど、ジェーンと早紀には何かしら共有する運命を感じずにはいられなかった。