「あたしとしては、残り少ない中学生活に余計な問題をはさみたくないのよ」

「そんなに気になるなら学校に相談すればいいじゃないか」

まぁなんてつれないお言葉。

「こんなこと学校に知られたくないよ」

HRや全校集会で取り上げられようもんならいいさらし者だ。

現代っ子のあたしとしては、それは望むカタチじゃない。

「だったら警察だな。レミに相談したらどうだ」

「達郎兄ちゃん」

あたしは声を固くした。
正直、腹がたってきた。

「あたしが達郎兄ちゃんの事どんだけ頼りにしてるかわかんないの?」

頭に血が昇りそうになるのを必死に押さえる。

「手紙のこと話したの、達郎兄ちゃんだけなんだよ?」

まっすぐ見つめると、達郎兄ちゃんはパフェを食べる手を止めた。

「カホの怒った顔、レミそっくりだな」

達郎兄ちゃんはそう言って笑った。

「だったら引き受けてくれるの?」

「レミそっくりな顔されたら断るわけにはいかないからな」