『もうしょうがないなぁ、知らないからね、あたしは!』

「麗実姉ちゃん、なんかうれしそうだね」

『気のせいよ、気のせい☆』

麗実姉ちゃんは『じゃあね♪』と言って電話を切った。

…絶対気のせいじゃないよね。

「ホントよくわかんないわ、あの2人は」

ひとり言をつぶやきながらも、麗美姉ちゃんの言葉を思い出してみる。

「しばらく一緒か…」

あたしは携帯のメール画面を開いて、湯月くん宛てのメールを作成した。

確か湯月くんはあたしと同じ付属の高校に進学する。

それを思い出しながら、こんな文章を作った。

『高校は同じクラスになれるといいね』

今はこれが精一杯。

これ以上の文章なんて、とても浮かばなかった。

何度も読み返して、深呼吸して、意を決して送信した。

送信完了の画面を見たあたしはベッドに倒れ込んでしまった。

なんでだろ。

告白されたのはあたしなのに、なんであたしの方がドキドキすんだろ。