「うん、わかった」

そう言って達郎兄ちゃんと別れたが、家には無事に着いた。

家には誰もいない。
父はまだ仕事だし、母も今日はパートだ。

1人は不安だったけど、濡れた姿を見られずに済んだから良かった。無用な心配はかけたくない。

あ、でも手のことは隠せないか。

そんなことを考えながら着替えを終えると、あたしはベッドに身を投げ出した。

なんか昨日今日と色々あって疲れてしまった。

殺害予告のような手紙に階段での事故、どっかの誰かに投げつけられた水風船。

こんだけ続けば誰だって気が滅入る。

すべて同一人物によるものだろうか。

それとも複数の人間の仕業だろうか。

どっちだろうかと考えてみた結論。


―どっちも、ヤだ。


じわりと目頭が熱くなってきた。

達郎兄ちゃんにやられた様に鼻をつまんでみる。

でも、涙は止まらなかった。

あたしはうつぶせなって枕に顔を押しつけた。



そして思い切り声をあげて、泣いた。