「大丈夫か、カホ」
達郎兄ちゃんはあたしにハンカチを差し出しながら、水風船の飛んできた方向に目をやった。
そこにはマンションが道に面して建っていた。
犯人はここの住人か。
港区で自宅マンションのベランダから通行人に向かってバケツの水を浴びせかけた無職の男が逮捕されたけど、その事件の便乗犯か。
あたしはマンションをにらみつける。
しかしどの部屋のベランダにも人影はなかった。
「ひと部屋ずつあたろうか」
「居留守を使われたらお終いだ」
そう言いながら達郎兄ちゃんは自分のダウンジャケットをあたしにかけてくれた。
「ありがと」
「本当に大丈夫か」
「なにが?」
「目や口の中とか痛くないか」
ちょ、ちょっと待って。
それって、毒のこと!?
やっぱあの手紙はあたしに対する殺害予告!?
体が震えてきた。
これは絶対に寒さのせいだけじゃない。
「ど、どうしよう達郎兄ちゃん!?」
達郎兄ちゃんはあたしにハンカチを差し出しながら、水風船の飛んできた方向に目をやった。
そこにはマンションが道に面して建っていた。
犯人はここの住人か。
港区で自宅マンションのベランダから通行人に向かってバケツの水を浴びせかけた無職の男が逮捕されたけど、その事件の便乗犯か。
あたしはマンションをにらみつける。
しかしどの部屋のベランダにも人影はなかった。
「ひと部屋ずつあたろうか」
「居留守を使われたらお終いだ」
そう言いながら達郎兄ちゃんは自分のダウンジャケットをあたしにかけてくれた。
「ありがと」
「本当に大丈夫か」
「なにが?」
「目や口の中とか痛くないか」
ちょ、ちょっと待って。
それって、毒のこと!?
やっぱあの手紙はあたしに対する殺害予告!?
体が震えてきた。
これは絶対に寒さのせいだけじゃない。
「ど、どうしよう達郎兄ちゃん!?」


