月と太陽の事件簿4/卒業までに解く問題

「歩きながら話すよ」

あたしは達郎兄ちゃんの腕をひっぱった。

そして歩きながら階段から落ちた事と4通目の手紙が来た事を話した。

「手紙はもう見たのか」

「まだ見てない」

てか見る気がしない。
「先に見てもいいか」

あたしは封筒を取り出して渡した。

「ふぅん」

達郎兄ちゃんは手紙に目を通すとかすかに唇を尖らせた。

「なんて書いてあったの?」

「自分で見てみろ」

あたしは手紙を受け取った。

(7+7)゛

これが4通目の手紙の文面だった。

出席番号7番は確か小林くん…と、クラス名簿が頭に浮かぶ。

徹夜で眺めたせいでほとんど覚えてしまった。

つまりこの手紙は

(こ+こ)゛

ということだろうか。

()してあるという事は濁点を両方につけろという事だろう。

となると文面は『ごご』…。

「午後…?」

口に出した瞬間、ある考えが頭の中をよぎった。

「達郎兄ちゃん、これ殺害予告だよ!」