翌日の日曜日、あたしは街へと出た。
向かったのは駅前にある進学塾。
もちろん今のあたしには縁がないものだ。
目的は勉強でなく、ある人物に会うためである。
ビルに入り、エレベーターに乗った。
ビルは6階建てで、2階から6階までが塾のフロアになっている。
あたしは5階のボタンを押した。
エレベーターが目的の階に着くまでの間、昨夜電話で交わした従姉の麗美姉ちゃんとの会話を思い出していた。
『果穂里、あんた達郎に頼みごとあるって本当なの?』
「なんで麗美姉ちゃんが知ってるの」
『達郎本人から聞いたのよ』
「ふーん」
『ふーんじゃないわよ。あんた本気なの』
「仕方ないじゃん。達郎兄ちゃんじゃなきゃ解けそうにないんだもん」
『まぁあたしがアレコレ言う権利な無いけどね。達郎に頼るなら覚悟しときなさい』
「覚悟?」
『あんた多分振り回されるわよ、あの男に』
向かったのは駅前にある進学塾。
もちろん今のあたしには縁がないものだ。
目的は勉強でなく、ある人物に会うためである。
ビルに入り、エレベーターに乗った。
ビルは6階建てで、2階から6階までが塾のフロアになっている。
あたしは5階のボタンを押した。
エレベーターが目的の階に着くまでの間、昨夜電話で交わした従姉の麗美姉ちゃんとの会話を思い出していた。
『果穂里、あんた達郎に頼みごとあるって本当なの?』
「なんで麗美姉ちゃんが知ってるの」
『達郎本人から聞いたのよ』
「ふーん」
『ふーんじゃないわよ。あんた本気なの』
「仕方ないじゃん。達郎兄ちゃんじゃなきゃ解けそうにないんだもん」
『まぁあたしがアレコレ言う権利な無いけどね。達郎に頼るなら覚悟しときなさい』
「覚悟?」
『あんた多分振り回されるわよ、あの男に』