「別になにもされてないけど…」

『本当に?』

「うん」

あたしは昨日の達郎兄ちゃんとのやり取りを話した。

『それじゃ何、あんたの怒った顔があたしそっくりだっていう事で引き受けたワケ?』

「そういう事でしょ」

『…本当に本当?』

「うん、なんか急に優しくなったような気がした」

『ナニそれ。意味不明だわね』

「意味不明?」

『不明よ不明。もーワケわかんない☆』

最後に麗美姉ちゃんは、『じゃあね♪』と言って電話を切った。

気のせいだろーか。

麗美姉ちゃんものスゴくはしゃいでたような…。

「あの2人の関係の方が意味不明だわ」

あたしは独り言をつぶやきながら下駄箱を開けた。

中にはあたしの靴と1通の封筒があった。

封筒は見慣れたソレ。

あたしは携帯を開くと、達郎兄ちゃんに電話しようとした。

そして携帯のボタンを見たその時、ふとある事が頭に浮かんだ。