「あのコ、サッカー部の亀井くんに、ついに告白するってよ」

「うそ!?はじめて聞いた!」

「バレンタインに告白出来なかったから卒業式に賭けるって言ってた」

「亀井くんサッカー推薦で九州の高校に行くって言ってたもんね」

となると確かに卒業式が最後のチャンスだ。

「イブからずっとチャンス逃してたからさ、応援してあげなくちゃね」

あたしはうなずきながら指折り数えてみた。

XmasイブにXmas、大晦日のカウントダウンにニューイヤーの花火。

先月のバレンタインに今月のホワイトデー。

そして、卒業式。

「なんかさ、告白イベント目白押しって感じだよね」

「人ごとみたいに言ってるんじゃないわよ」

「え、なにが?」

「果穂里、あんたまさか3年間好きな人できなかったワケ?」

声をひそめる幸子にあたしは「うん」とうなずく。

「はー…信じられない」

幸子にはひとつ上の高校生の彼氏がいる。