リカ・モエは底抜けに明るく、私がどんなにくだらないことを言っても笑ってくれる。


だけど、その笑顔の奥には、計り知れないほどの悲しさがあった。



リカ・モエの実のお父さん(以下、おっさん)は、外面はとびっきりよかった。

しかし、一度怒り出すと、手がつけられなくなる。

暴力をふるうのだ。


リカ・モエは、おっさんに殴られたり蹴られたりはもちろん、木刀で殴られたりもしていた。

武器はそれだけでなく、真っ二つに折れ、尖っている木製のそろばん。
おっさんはこれを、足などに刺してくるというのだ。



リカとモエは、いつも生傷が絶えなかった。