「周ぇ!!」

再び聞き慣れた声が、今度は熊のような怒号で降ってきた。

ハッと見上げれば長官と、低く心配そうに唸るパートナーの紅竜の顔が覗いている。

逆光で良く見えないが、長官は酷くご立腹のようだ。

当然か……こんな失態晒した部下だものね。


助けられた後も、長官の顔は見れなかった。

何も言わなかったので、まさか医務室で診察を受けている時分になって突然やって来るとは思わなかった。